利用者のJOです。
デフリンピックは長い歴史(パラリンピックよりも長い)をもちながら、一般にはまだ十分知られているとは言えません。その理由をたどっていくと、いくつかの背景が見えてきます。
まず、聴覚障害は外から見えにくいという特徴があります。見た目では健常者と違いが分かりにくいため、「困難がある」こと自体が周囲に伝わりづらいのです。スポーツでも社会でも、音に頼れない状況がどれほど影響するのかが見過ごされがちで、問題点が可視化されにくいままでした。
また、メディアで取り上げられる機会が少なかったことも大きな理由です。音による実況や選手のインタビューが中心となるスポーツ報道では、手話や視覚的なやりとりが主体となるデフリンピックは従来の枠組みに馴染みにくい面がありました。その結果として、一般の目に触れるチャンスが少なくなり、認知が広がらなかった面があります。
そして、国や自治体レベルの支援の歴史も、他の国際大会に比べて十分とは言えませんでした。資金・広報・選手育成などが後手に回り、その影響が蓄積されて現在の状況につながっています。
これら、すべてのことはデフリンピックとその背景にあるいわゆる「ろう文化」の宿命といえると思います。
ただし、今回の日本開催をきっかけに、デフリンピックはようやく「知られてこなかった理由」ごと可視化され始めています。こうした背景を理解することは、これから「ろう文化」の認知度を広げていく第一歩にもなります。
(下の写真は東京都のスポーツ推進大使の「ゆりーと」くんです。今回は東京デフリンピックの公式マスコットとして任命されました。)

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