先日、キャンバの先生に「バリュービジョンカードゲーム」というものを教えてもらいました。最初は「カードゲーム?」と軽い気持ちで聞いていたのですが、先生の紹介でリモートの無料体験があると聞き、面白そうだと思って参加してみました。
この「バリュービジョンカードゲーム」、名前のとおり“価値観”をテーマにしたちょっと変わったカードゲームです。使うカードは全部で100枚。それぞれに「自由」「誠実」「挑戦」「安心」「感謝」など、人が大切にしがちな価値観の言葉が1枚につき1つずつ書かれています。
ゲームの進め方はこうです。まず一人ひとりに5枚のカードが配られます。場にも5枚が表向きに並べられ、そこから自分の手札と交換していくのですが、テーマが設定されています。たとえば「今の自分にとって大切なこと」「これから大事にしたいこと」など。参加人数は3~5人ほどがちょうどいいそうです。
カードの交換は全部で10ターン。途中で「パス」してもOKです。特徴的なのは、無言ではなく“声に出して”カードを交換すること。つまり、「『リーダーシップ』を捨てて『成功』を取ります」といった具合に、自分がどう考えてカードを選んでいるのかをその場で共有するのです。これがまた興味深い。他の人の交換を聞いていると、当然のことながら自分と比べてしまいます。それによってなおさら自分の価値観に向き合うことになっていくのです。それを繰り返しながらの10ターンはなかなかに濃密な時間です。
そして最後の最後、残った5枚のうちからさらに2枚を捨てて、3枚だけを残すのです。この「究極の最終選考」がまさにこのゲームの肝。どれも大切に思えて、なかなか捨てきれません。けれど、悩みながら選ぶその時間にこそ、自分の中の優先順位や本音が浮かび上がってくるのです。
そして、「なぜこれを残したのか、捨てたのか」「それが自分にとってどういう意味を持つのか」を語っていきます。人の話を聞いて、自分の考えとの違いや同意をまとめるのはすごく集中力が必要です。
やってみて感じたのは、これは単なるカード遊びではなく、自分の内面を映す“鏡”のようなゲームだということ。人の話を聞き、自分の価値観を語り、最後に3つの言葉を残す——たったそれだけのプロセスなのに、終わった後には心の中が少し整理されたような不思議な感覚が残りました。
もし機会があれば、今度は実際に集まってやってみたいと思います。きっと笑いあり、沈黙ありの、奥の深い時間になることでしょう。


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